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平和な社会に暮らしたい
対立と共生/排他と融和

ハンドシェーク
学校では教えてくれない
人間社会を生き抜くための人生の基礎知識

三つ目は「対立と共生/排他と融和」です。


対立と排他による二極対立 
現代社会は さまざまな二極対立によって分断が進んでいます。
富裕層と貧困層 異なるイデオロギー 思想 さらには国と国 地域と地域の間でも 互いを排斥しようとする動きが加速しています。
このような対立と排他は 時として戦争という最悪の形に発展し 人類の歴史を繰り返すかのようです。
私たちは 互いに融和し 共生する道を歩むことはできないのでしょうか?
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対立と排他を生み出す心のメカニズム 
なぜ 私たちは互いに対立し 排除しようとするのでしょうか?
その背景には 人間の複雑な心理的要因が深く関わっています。
 
内集団バイアス: 
人は自分が所属する集団(内集団)を肯定的に評価し 他の集団(外集団)を否定的に評価する傾向があります。
これは集団の結束を強める一方で 外集団への偏見や差別を生み 対立を激化させる要因となります。
確証バイアス:
人は自分の信じる情報を選択的に受け入れ 反対意見を排除しようとします。
特にSNSなどの「フィルターバブル」の中では 同じ意見ばかりが強化され 異なる意見を持つ人々との相互理解を困難にしています。 
帰属の誤り:
自分や所属集団の失敗は外部要因のせいにし 他者や他集団の失敗はその本質の問題だと考えがちです。
これにより 対立する集団を「悪」とみなし 理解しようとする努力を怠ることがあります。
ゼロサム思考:
一方の利益が もう一方の損失と考える思考です。政治や経済 宗教などの対立において この思考が働くことで「相手を排除しないと自分が損をする」と 対立が正当化されることがあります。

不安と恐れ:
不確実な未来や変化への不安は 対立を助長します。
特に自分のアイデンティティや価値観が脅かされると感じると 人は防衛的になり 対立を強める原因となります。
社会的学習:
対立は個人の心理だけでなく 文化や社会の影響も受けます。
歴史的な紛争や教育 メディアによる報道が人々の認識に影響を与え 「相手は敵だ」と学習されることで対立が固定化されることがあります。

本能的に働くこれらの心理的要因によって 人間は互いに対立し 排除しようとする方向に動いてしまうのです。
デモの群衆
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対立と排他がもたらす社会の不利益 
対立と排他が続き 社会が分断されることで 人類全体に次のような 甚大な不利益が生じています。
 
1. 安全と安定の喪失 
対立が深刻化すると 社会不安や暴力のリスクが高まります。
紛争が長引けば 多くの人々が犠牲になり 経済や生活の安定が損なわれます。
2. 経済の衰退 
排他的な政策や紛争は 国際的な協力機会を奪い 貿易・投資を減少させます。
不安定な社会では企業の成長が阻害され 雇用減少や景気悪化を招き 市民生活に直接影響を与えます。
3. 自由と多様性の制限 
対立が激化すると 異なる意見や文化が受け入れられなくなり 表現の自由や個人の選択肢が狭まります。
これは 創造的な発展を妨げ 歴史的にも科学技術や文化の停滞を引き起こしてきました。
4. 精神的な負担の増加 
分断された社会では 人々は対立する意見に過剰に反応し ストレスや不安を感じやすくなります。
敵意や憎しみが増すことで 人間関係の質が低下し 幸福度が下がる可能性があります。
5. 未来世代への悪影響 
対立や排他の姿勢が続けば 次の世代もその価値観を受け継ぎかねません。
偏った視点が教育やメディアを通じて強化されることで 長期的な平和や協力の機会が減少し 根深い分断が生まれるでしょう。
軍用機
ドル
なぜ 不利益を理解しながら対立を繰り返すのか? 
これらの不利益を認識していながら なぜ人間は対立と排他を繰り返してしまうのでしょう?
 

1. 短期的な利益の優先 
対立によって一時的に権力や資源を得られる場合があるため 協調よりも対立が戦略的に選ばれることがあります。
しかし 長期的には関係が悪化し 不利益を生む可能性が高いです。

2. 感情の影響
恐れ 怒り 不安といった強い感情は 冷静な判断を妨げます。
自分と異なる考えを持つ人々を「敵」と認識することで 対立が正当化されやすくなります。

3. 社会的・文化的な影響 
歴史や教育 メディアの報道が特定の対立を強調し「特定の集団は敵だ」と学習することで 排他的な態度が固定化されることがあります。

4. 集団行動の力 
人は集団の中で生きる生物であり 周囲の影響を強く受けます。
所属するグループが対立を続ける場合 それに同調しないと疎外される恐れがあるため 排他的な行動を取りやすくなります。
​5.不確実性への恐怖 
人間は未知の状況や変化を嫌う傾向があります。自分の価値観が脅かされると感じると 防衛的になり 対立を強める原因となります。


間違った常識:対立の原因を作っているのも不利益の被害者も同じ人
理論的には以上のような理由が考えられますが  対立と排他が終わらない最も大きな要因は 
対立を起こしているのは集団の権力者どうしであり 不利益を被るのは一般市民であるから
というところにあるのではないでしょうか?

社会の中で不都合な状態である対立と排他を作り出しているのは いわゆる権力者たちです。

一般市民は 権力者たちが作り出したこれらの不都合な状態が降りかかってきて 好むと好まざるとにかかわらず巻き込まれてしまいます。

どちらの側にも就きたくないのに どちらの側につくのか 選択を迫られる場合もあるでしょう。

また一般市民はヒーロー(のように見える人=実は権力者かもしれない)の意見を鵜呑みにしがちです。 

権力のあり方と分断の構造

歴史を振り返ると 権力がピラミッドの上層に集中すると 下層の人々の意見が反映されにくく 不公平な社会が形成されやすい傾向があります。

現代社会においても 建前上は民主主義であっても 実質的には最下層の意見が反映されにくい制度になっていると言わざるを得ません。

では 権力というものを世の中からなくしてしまえばよいのでしょうか?

しかし「権力がなくなれば問題が解決するか?」という問いに対しては 少し慎重に考える必要がありそうです。

ピラミッド
手を合わせる

権力は悪か?その本質と適切な在り方

権力そのものは単なる統治や組織の運営に不可欠な仕組みでもあります。

問題は 権力の「あり方」や「使われ方」にあるのかもしれません。

権力が適切に分散され 透明性を持って運営されるならば それは社会の安定や秩序の維持に役立つこともあります。

しかし 権力が集中し 不正や支配の手段として用いられると それは対立や排他の原因になります。

 

もし権力が完全に消滅した場合 社会はどのように機能するのかという問題もあります。

歴史的に「無政府状態」に近い状況が生まれたこともありますが それらはしばしば混乱を引き起こし 結局新たな権力構造が生まれる結果になっています。

人間社会は ある程度の秩序やルールを必要とするため 権力の完全な消滅ではなく その「形」をどう変えるかが重要になりそうです。


権力分散がもたらす問題 
権力を集中させれば迅速な意思決定が可能ですが 独裁的な支配に傾くリスクがあります。
ロシア 北朝鮮 中国といった国々では 権力集中が対立や排他的行動の不具合を引き起こしていると指摘されています。
一方で ヨーロッパのように権力を分散させると 民主的な議論が活発になる反面 意思決定が遅くなり 社会の変化や問題改善のスピードが鈍化するという欠点があります。
 
対立と排他を乗り越え 共生と融和へ向かう道のり
では 私たちはこの対立と排他の連鎖を断ち切り 共生と融和の道を歩むために何ができるでしょう?
 
1. 権力の「適切な」分散と透明性の確保 
権力を完全に集中させるのではなく 重要な決定においては迅速性を保ちつつも 監視と透明性を確保する仕組みが必要です。
独立した監視機関やメディアの自由な活動が 権力の暴走を抑える鍵となります。
2. ハイブリッド型の意思決定 
民主的な議論を重視しながらも 危機時には迅速な行動を可能にするハイブリッド型の制度を導入することで 両者の長所を組み合わせることができます。
3. テクノロジーの賢い活用 
AIは膨大なデータを客観的に分析し 公正な政策判断や市民の意見集約を支援するツールとして活用できます。
ただし AIそのものに問題があるのではなく AIを使う人間の倫理観と目的が最も重要です。AIの運用には透明性と説明責任 そして公平性とバイアスの排除を徹底する仕組みが不可欠です。
4. 倫理観の向上と教育 
「問題のある人間」が権力者になりやすい現状を打破するためには 個人の倫理観を高める教育が不可欠です。
公正さ 利他性 多様な視点を受け入れる姿勢を育むことで より良いリーダーシップが生まれる土壌を耕すことができます
5. 市民参加の促進と監視体制 
ピラミッドの下層 つまり市民がより積極的に意思決定に関わり 権力者を監視できる制度が必要です。
選挙制度の改善や テクノロジーを活用した直接的な意見反映の仕組みも有効でしょう。

しかし今からこれらの対策を打って理想的な権力構造を構築していくには膨大な時間がかかることでしょう。
人間社会の進化を待っているだけでは 対立と排他の問題が激化していくスピードに間に合わないかもしれません。
懐中時計
レーシングカー

例えば 透明性のある仕組みとして権力を監視する体制をとったとしても 監視する側に問題があれば有能で正義感の強いリーダー 権力者はあっという間に失脚してしまいます。

AI を有効活用することが ひょっとしたら良い手段に成り得るのかもしれませんが 仮にAIそのものに問題が無かったとしてもそれを活用する人間に問題があれば AIの活用は凶器にもなり得ます。

絶対的な正義と絶対的な能力を兼ね備えた絶対権力者を作るのが最も良い方法なのでしょうが 人間の能力には限界がありそんな神のような人間は存在し得ません。

人類に残された選択肢
今我々に残された選択肢は
数ある権力者の中で 最も一般市民のために貢献してくれる倫理観を持った権力者を見極めて選ぶこと。
に他なりません。​
運のいいことに 日本にはまだ政治家を選挙で選ぶ権利が 一般市民に残されています。
しかし権力の集中と対立と排他が進んでいくと この権利がなくなる日が来てしまうことも考えられます。
神のような人間は存在しないかもしれませんが
今のうちに 最も一般市民のために貢献してくれる倫理観を持った権力者を たくさんいる候補者の中から見つけ出して選ぶことは 全く不可能なことではありません。

倫理観を高めるには
人間が倫理観を高めるために最も効果的な手段は ブッダの教えである「我欲を捨てること」です。

ブッダの教えでは 欲望を完全に消すのではなく 適切に向き合い 執着を手放すことが重要だとされています。

現代社会では欲望を完全に捨てることは難しいですが 欲に支配されず 必要なものだけを求める生き方を意識している人が より倫理観を持った人だといえるでしょう。
 

「我欲の少ない人」を見極める

倫理観の高い人を見極めるのは 非常に難しいことです。
なぜなら 人間の心は複雑で 外見だけではその人の内面を完全に理解することはできないからです。
しかし ブッダの教えや一般的な観察を通して その傾向がある人を見極めるためのいくつかの手がかりはあります。

マリアの像
仏像クローズアップ

「我欲の少ない人」の特徴

ブッダの教えを踏まえると 我欲が少ない人は次のような特徴を持っていると考えられます。

足るを知る心:

必要以上のものを求めず 現状に満足している。
物質的な豊かさや地位 名声に執着せず 精神的な充足を重視する傾向があります。

分かち合う精神:

自分の持っているものを惜しみなく他者と分かち合おうとします。
利己的な動機よりも 他者の幸福や社会貢献に喜びを見出します。

平静な心:

喜びや怒り 悲しみなどの感情に振り回されることが少ないです。
困難な状況に直面しても冷静さを保ち 感情的になることが少ないでしょう。

自己中心性のなさ:

自分の利益や欲求よりも 全体や他者の利益を優先する傾向があります。
他者を操作したり 利用したりするような言動が見られません。

感謝の心:

あらゆるものや状況に対して感謝の気持ちを持っています。

些細なことにも感謝できる人は 不足感を抱きにくいと言えるでしょう。

執着のなさ:

物や地位 人間関係など 特定の事柄に強くこだわりすぎません。
変化を受け入れ 手放すことに抵抗が少ない傾向があります。

言葉と行動の一致:

口で言っていることと 実際に行っていることに大きな隔たりがありません。
誠実で信頼できる人と言えるでしょう。

 

見極める上での注意点

しかし これらの特徴を外見だけで判断するのは困難です。

人は表面を取り繕うこともできますし 一時的にそう見えることもあります。

 

長期的な観察:

一度や二度の行動だけで判断せず その人の言動を長期的に観察することが重要です。

困難な状況や誘惑に直面したときに どのような行動をとるかを見ると 本質が見えてくることがあります。

動機の見極め:

行動の裏にある動機を推し量る努力も必要です。

例えば 慈善活動をしている人が 実は名声を得たいという欲求から行動している可能性もゼロではありません。

完璧を求めない:

完全に我欲を捨て去った「聖人」のような人は ごく稀です。

人間は多かれ少なかれ欲を持つものですから 「我欲が少ない人」という視点で評価するのが現実的です。

 

最終的には その人との関わりの中で 時間をかけて見極めていくしかありません。

そして 相手を判断しようとするだけでなく 自分自身の我欲とどう向き合うかを考えることも大切です。

​また 別途

「嘘と真実の見極め」リンク先

​というページも公開しておりますのでそちらも参考にしてみてください。

騙された!」と思ったら
嘘と真実の見極め
学校では教えてくれない人間社会を生き抜くため基礎知識三つ目の「対立と共生/排除と融和」
についてお話してきました。
平和な社会に暮らしたいと願う皆さんには 
力に屈することなく 諦めないで 「我欲の少ない人」を見極める眼力を身に付けて​ そういった人を権力者として選ぶことに力を注いでいただき 平和な社会でもっともっと楽に生きていただきたいと願っております。
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