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人間関係にストレスを感じたら
生き辛い社会の正体

友達とのパーティー
学校では教えてくれない
人間社会を生き抜くための人生の基礎知識

一つ目は「生き辛い社会の正体」​についてです。

世の中には 大きく分けて二つのタイプの人がいます。

  • 「みんなと一緒が良い」と思う人

  • 「みんなとは違っていたい」と思う人

割合としては前者の方が多いかもしれませんが どちらのタイプであっても 社会の中で自分らしく生きることには ある程度のストレスが伴うものです。​​

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ヤング・ミュージック・バンド

対人関係のストレスが限界を超えたときの応急処置
人間関係のストレスが限界を超え 生きづらさを感じるようになったときは あなたの心がSOSを発信しているサイン です。

この状態を放置すると自己主張が封じ込められ 気持ちの行き場を失い 最終的に心が爆発寸前になってしまうことがあります。

みんなと一緒が良いと思う人は「どうしたら仲間外れにされないか」ばかりを考え 無理に周囲に合わせ続けた結果 心が疲弊してしまいます。

みんなと違っていたいと思う人「みんなと違う自分でいたい」と思うものの 周囲の視線や評価が気になり 居心地の悪さに耐えられなくなります。

どちらの状況であっても ストレスが限界を超えたと感じたら まずは応急処置として 一度人間関係から距離を置くことが必要 です。

 

いったん「みんな」から離れてみる
こんなときは 一人の時間を確保し 自分らしさを思う存分発揮してみることをおすすめします。

周囲の期待や評価を気にせず 自分の本当の気持ちに向き合う時間を持つことで 心の負担が軽くなるはずです。

しかし これはあくまで 応急処置 です。

一時的にストレスを軽減するための方法であり 根本的な解決には至りません。

恒久対策

本当に生きやすくするためには より長期的な視点で恒久的な対策 を考える必要があります。

まずは なぜ対人関係にストレスを感じるのか その原因を探っていき その対処方法についてこれからじっくりお話ししていきます。

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応急処置キットの必需品

間違った常識:人間は平等

人間は平等であると社会科で教えられましたが 世の中の対人関係はそうなっていないことのほうが多いのが現実です。  
大半の対人関係は 対等ではなくて主と従の関係になっています。  
先生と生徒 先輩と後輩 上司と部下 顧客と店員など さまざまな場面でこの関係が見られます。  

仲間同士の間でさえ 主従の関係が存在し得ます。  
大半の人間関係は 強い者が主となり それに従う者が存在する形で成り立っているのです。

​ですからみんなと一緒が良いと思う人も みんなとは違っていたいと思う人も 仲間という対人関係を形成する以上は大なり小なり主従関係を結ばなくてはならず ここにストレスの原因が発生するのです。

社会に潜む「主導権争い」
こうした人間関係のストレスの背景には 社会の至るところで繰り広げられる「主導権争い」 があります。

自分が優位に立ちたいと考える人と それに従うことを求められる人。

この攻防戦は 学校 職場 友人関係など あらゆる場面で見られるものです。
たとえ自分が望まなくても このような立場の確定を迫られる場面 に巻き込まれることがあり それがストレスの要因となることもよくあります。

人間関係のストレスは 単なる「性格の違い」だけでなく 社会における立場の確立や力関係によって生じるもの でもあるのです。

Unity のハンズ
秘密

主従関係の極端な例​

主従関係の極端な例として 宗主国と植民地 主人と奴隷の関係が挙げられます。

(人と人には直接当てはまらないものの)さらに極端な例として 生物の世界における弱肉強食――すなわち「捕食者と被捕食者」の関係があります。

ライオンは鹿の気持ちを考えることなく狩りをし マグロもイワシを哀れむことはないでしょう。

だからこそためらいなく獲物を食べることができるのです。

食べ物に対する認識は食文化によっても異なります。

たとえば生け簀を泳いでいる魚を見たとき 日本人は「美味しそう」と感じ 欧米人は「かわいい」と思うといいます。

牛を見て日本人は「かわいい」と感じる一方で 欧米人は「美味しそう」と考えるという話もあります。

「捕食者と被捕食者」の関係と同様に 主人は奴隷の感情に目を向けず 宗主国は植民地の痛みを意識することはほとんどありません。

「人を食い物にする」という言葉が示すように 本来の人間性が失われ搾取を平然と行ってしまうのは 実に奇妙な現象です。

 

​生き辛い社会の正体

主従関係においても 強者が弱者に対し 真に対等な関係を築くことは極めて稀です。

むしろ嘲笑し 揶揄し 侮り 強要する――こうした行為によって 従者は主に対し「ハラスメント」を受けていると感じるのです。

どうやら人間は本能的に 主の立場にあるとき従の感情を理解しづらくなるようです。

「自分の痛みは3分も我慢できないが、人の痛みは3ヶ月放置できる」と言われるのはこのためでしょう。

ひょっとすると食事をする際と同じように 主導権を握っている間は人間性が一時的に消え去り他者の痛みに対する共感力が鈍ってしまうのかもしれません。

正に​これが生き辛い社会の正体といえるでしょう。

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親子関係の変化と社会に出た若者の戸惑い

人間は対人関係において このように主と従を基本とすることを長く続けてきました。  
昭和の世代では 親と子の間には主従に似た関係がありました。

そのため 成人して社会に出ても、主従関係に戸惑うことは少なかったのです。  
家庭で主従関係の練習ができていたとも言えるでしょう。  
最近の親子関係では これが変わって来つつあります。
親の愛情がより強くなり 子どもの主張が頭ごなしに否定されるのではなく 親がしっかりと受け止めるように変わってきています。  
こうして育った子どもたちが社会に出ると 家庭で経験したことのない「主と従」という環境に戸惑い ストレスを感じるようになります。  

 

​目指すべき新しい対人関係

今の若者は昔の若者に比べて耐性がなくなったと嘆く声を 最近よく耳にするようになりました。

では昭和世代に戻って家庭で主従関係の練習するように戻したした方が良いのでしょうか?

いや 親子関係も含めて 平等で愛のある対人関係のほうがより良いことは間違いありません。  

親子関係を昭和世代に戻すのではなく 社会の対人関係が主従関係中心である事の方を変えるべきなのです。

お父さんと娘
上司に説明するアジア人女性のオフィスワーカー

主導権争いに慣れていない日本人

日本人はその他の国と比べて自分が主導権を握るよりも集団の中でリーダーに従ってうまく自分の役割を果たそうとする傾向が強く見られます。

主導権を握りたいと思っている人とリーダーに従って行こうと思っている人ではリーダーに従って行こうと思っている人のほうが多数派なのではないでしょうか?

このため日本人は世界の他の国の人々に比べ主導権争いに慣れない人が多くなっています。

日本人の価値観が形成された背景

日本人が特別このような特徴を持つようになった原因は何でしょうか?

日本人が集団の調和を重視し リーダーに従う傾向が強い理由には 歴史的・文化的な背景が深く関係しています。主な要因をいくつか挙げてみます:

1. 歴史的な社会構造

日本社会は長らく封建制度や村社会の影響を受けてきました。

特に江戸時代の「士農工商」の身分制度や 武士の主従関係が社会の基本構造として存在していたため 縦社会が根付いていきました。

また 農村社会では 共同作業が必要不可欠であり 和を乱さないことが重要視されていました。

この名残が現代にも影響を与えています。

 

2. 集団主義的な価値観

西洋文化が個人主義を重視するのに対し 日本では「和」を尊ぶ価値観が強調されてきました。

例えば「出る杭は打たれる」ということわざのように 周囲との調和を乱さないことが推奨されます。

これは学校教育や職場の環境にも反映され 個々の決断よりも全体の一致を重んじる傾向につながっています。

 

3. 教育の影響

日本の教育は協調性や規律を重視し 集団行動を基本としています。

例えば 学校生活ではクラス単位で行動することが多く 規律正しい行動が評価される傾向があります。

これにより 個人の意思よりも組織のルールや調和を優先する姿勢が育まれます。

 

4. 企業文化

日本の企業文化もまた 年功序列や終身雇用が長く続いたことで 上司や組織の方針に従うことが一般的となりました。

これにより 個人の判断よりもチームとしての統率が重要視され リーダーに従うことが自然な流れとなったのです。

 

5. 言語の影響

日本語には敬語など 相手との上下関係を意識する表現が多くあります。

これにより 自然と「従うこと」や「上下関係を尊重すること」がコミュニケーションの中に組み込まれています。

特にビジネスや公的な場面では 謙虚な態度が推奨され リーダーに従うことがスムーズな人間関係につながると考えられています。

これらの要因が組み合わさることで 日本人の「集団の調和を重んじる」対人関係の傾向が形成されてきました。

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畑仕事

歴史的な教育・啓蒙による影響と価値観の変化

これらの歴史的背景に加え リーダーが組織や集団を円滑に運営するためにこうした価値観を積極的に教育・啓蒙してきたことは 日本社会の対人関係の特徴を形作る重要な要素です。

歴史を振り返ると 江戸時代の「儒教教育」では忠義や上下関係の尊重が強調されました。

戦後の教育改革においても 協調性や集団行動の重要性が教えられてきましたし 企業文化では従業員研修を通じて「組織の一員としての振る舞い」が推奨される傾向があります。

これらが長年積み重ねられることで 個人よりも集団を優先する姿勢が深く根付いたと考えられます。

また 社会全体がこの価値観を維持することで 安定した組織運営が可能になり 秩序が守られるというメリットもあります。

一方で 個人の主体性や多様性を伸ばす観点からは課題もあります。

近年では「心理的安全性」や「フラットな組織構造」の重要性が議論されるようになり 従来の対人関係の価値観に変化が生まれつつあります。

高校の教室
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日本に根付く主従関係による課題
日本で歴史的に続いてきた主従関係を基本とした対人関係のどんなところに問題が有るのでしょうか。
1. 創造性と自主性の低下
  • 指示に従うことが優先され 個々のアイデアや創造性が抑制されがちです。

  • 自主的に行動する文化が育ちにくく 受動的な姿勢が定着することがあります。

2. 柔軟性の欠如

  • 上位者の決定に強く依存するため 変化に適応するスピードが遅くなります。

  • 環境の変化に対する対応が硬直化し 競争力が低下する可能性があります。

3. モチベーションの低下

  • 一方的な指示に基づく環境では 部下の主体性が損なわれやすく モチベーションが下がることがあります。

  • 長期的に見ると 生産性や組織の活力に悪影響を及ぼす可能性があります。

4. 人間関係の悪化

  • 上下関係が強調されることで 支配的な関係が生じ 信頼関係が構築しづらくなります。

  • コミュニケーションが一方通行になりやすく 心理的安全性が低下することがあります。

5. 多様性の活用不足

  • 価値観や視点が上層部に偏るため 多様性を活かした意思決定が難しくなります。

  • 組織の発展に不可欠な異なるバックグラウンドや経験を持つ人々の力を十分に活かせない可能性があります。

 

冒頭で​お話しした

みんなと一緒が良いと思う人はどうしたらみんなから仲間外れにされないかとストレスを感じ

みんなとは違っていたいと思う人は仲間から特異な目で見られることにストレスを感じる

いずれの場合にも  3.モチベーションの低下4. 人間関係の悪化という形でストレスが表れてきているわけです。

また 主導権を握っているリーダーにとっても 1. 創造性と自主性の低下 2. 柔軟性の欠如 5. 多様性の活用不足という形で集団の成果を最大化できないというデメリットを生む要因となっているのです。

閉塞感を打開するために

人間社会の閉塞感を打開するためにはこれらのデメリットを克服していかなければなりません。

対話を重視し協力と相互尊重を基盤とした対人関係の文化を築くことが重要なのです。

ハンドシェーク
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恒久対策はコミュニケーションの基本を学ぶこと

主導権争いに終止符を打ち 協力と相互尊重を基盤とした対人関係を構築するためには 鹿やイワシ(食べられる側:従)もライオンやマグロ(食べる側:主)に対してコミュニケーションを取っていく必要があります。

このような高度なコミュニケーションのノウハウについては

学校では教えてくれない人間社会を生き抜くための人生の基礎知識 12番目の

「コミュニケーションの基本」リンク先 

に詳細に書かれていますので じっくりと時間を取って熟読していただき手法をマスターしてください。

 

​端的にお伝えすれば これが恒久対策ということになります。

冒頭で​お話しした

みんなと一緒が良いと思う人はどうしたらみんなから仲間外れにされないかとストレスを感じ

みんなとは違っていたいと思う人は仲間から特異な目で見られることにストレスを感じる

いずれの場合にも このコミュニケーションノウハウをマスターすれば ストレスを感じることなく 良好な対人関係を築くことができるはずですので このページの内容をよく勉強していただければ幸いです。

もし「コミュニケーションの基本」の手法をもってしてもストレスが解消されない場合には 手法をうまく使えていないか もしくは 仲間たちが主導権を握ってあなたから搾取しようという思いが強すぎるかのどちらかです。

​仮に後者の場合にはその仲間たちからは静かに立ち去るほうが賢明であると言えるでしょう。

学校では教えてくれない人間社会を生き抜くための基礎知識 一つ目の「行き辛い社会の正体」についてお話してきました。

仲間と上手く付き合っていくことにストレスを感じそれが限界を超えて生きづらいと感じるようになってしまったら 応急処置としてあなたを思う存分出せる場所にいったん逃げましょう。

恒久対策としては「コミュニケーションの基本」の手法を体得しそれを実践してみてください。

それでも対人関係がうまくいかず 仲間たちが主導権を握ってあなたから搾取しようという思いが強すぎるのだと悟ったら その仲間たちから静かに立ち去り新しい仲間を見つけましょう。

そうすることによって今よりももっともっと楽に生きられるようになっていただきたいと願っています。

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