
学校では教えてくれない
人間社会を生き抜くための人生の基礎知識
New 2025.4.20 行き辛い社会の正体 公開
人が言うことを聞いてくれない時
人を動かす

学校では教えてくれない
人間社会を生き抜くための人生の基礎知識
八つ目は「人を動かす」です。
あなたが成長して大人になり一人で生きていけるようになると教えてもらう側から教える側に立場が変わります。
最初に教える側へと転じるのは 弟や妹ができてお兄ちゃんやお姉ちゃんになった時かもしれません。
この経験は 家族内での責任感や配慮を育む大切なステップです。
次にその変化が現れるのは 幼稚園や学校で後輩ができた時でしょう。
後輩との交流は 指導や助言を通じて教える側としての力を磨く機会になります。
クラブ活動に参加すると 先輩として後輩を指導する立場になります。
未熟で子供だった自分が 他人の面倒を見る役割を担う。
このような経験を通じて 責任やコミュニケーション能力を発展させていくのです。


大人になることで増える指導の役割
大人になると 会社や家庭で他人を指導する立場になる場面が増えます。
会社では後輩が入ってくれば 先輩として振る舞う必要があります。
自営業の方であれば 雇用主として従業員を指導しなければなりません。
結婚して子供が生まれると 親として子供の面倒を見るのは当然のこととなります。
さらに 管理職になると 部下を指導する責任も負うことになります。
あなたが成長すればするほど 他人の面倒を見る場面がどんどん増えていくのです。
指導者に共通する悩み
他人の面倒を見る立場に立った人が抱える共通の悩みとして 多くの人が「なかなか私の言うこと(指導)を聞いてくれない」という課題に直面します。
特に信頼関係が築けていない場合 この問題は顕著に表れます。
興味深いことに この課題は赤の他人同士よりも肉親同士で強く表れる傾向があるようです。
家族間の距離の近さゆえに 指導や意見が伝わりづらい場合もあるのです。


子供が親の指導を聞かない
たいていの場合 子供は親が「やってはダメ」ということをやりたがり 「こうしなさい」と指示されたことはやろうとしません。これは 親子間でよく見られる自然な現象です。
血縁関係にある肉親同士ですら 言うことや指導を素直に聞かないのに ましてや 信頼関係を築いていない他人の場合 指導がうまくいかないのは至極当然のことと言えます。
他人の場合 表面的には言うことを聞いているように見えても 実際には気を使っているだけかもしれません。
人の心を動かすためには
普通に話をするだけでは 人の心を動かすことは難しいのが現実です。
そのため 何か特別な方法を学び マスターする必要があります。
では どのようにすれば人の心を動かすことができるのでしょうか?
これについてさらに深く考えていく必要があります。
特別な方法を理解し 実践することが 効果的な指導やコミュニケーションの鍵となります。


逆の立場から考える
まず 指導において効果的なアプローチを考えるために 自分が逆の立場にあった時の経験を思い出してみましょう。
後輩や部下の立場として 先輩や上司から指導を受けた際や 子供の頃に親から言われたことで反発を感じた経験はありませんか?
思わず反発してしまった例
例えば 以下のような言葉をかけられた経験がある方も多いのではないでしょうか。
「お前こんなレベルの低い内容を明日課長に見せられるわけがないだろ。」
「結論に具体性がなさすぎるよ。これまで何仕事してきたんだ?何一つ物になってないな。」
「部長が欲しい結論になってないじゃないか。こんな足を引っ張る部下たちじゃ俺の未来は真っ暗だな。」
「走っちゃだめって何度言ったらわかるの!本当に聞き分けがない子ね!」
これらの言葉は 口調が多少誇張されているかもしれませんが 多くの人が似た経験をしているのではないでしょうか。
どれも やる気を削がれるような内容で 反発を生む要因となりえます。
もし このような否定的な言葉をかけられたことがない方であれば 非常に良い上司や親に恵まれたと思って良いでしょう。そのような経験を大切にすることで 指導のあり方についてより深く考えることができます。
反発してしまう言葉の共通点
これらの例文に共通する特徴は何でしょうか?
一つ目は 相手を非難している点です。
非難されることで 相手は素直に話を受け入れられなくなる可能性が高まります。
相手のモチベーションを維持するためには 否定的な言葉を避け 建設的な指導を心がける必要があります。


少し誇張して書いてしまったので非難している部分を無くして言い換えてみます。
「内容が足りないよ。これじゃあ明日課長に見せられないなぁ。」
「結論に具体性がないね。過去の経験が役に立ってないね。」
「部長が欲しい結論になってないよ。明日部長から怒られるだろうな。」
「走っちゃだめよ。自動車にひかれて死んじゃうのよ。」
これで多少表現がきつい部分は無くなりましたが それでもやる気を削いでしまうような言葉であるという点ではあまり変わらないように感じます。
非難だけがやる気を失わせる原因ではない
相手を非難していることがやる気を失わせる主な原因ではないことが明らかになりました。
では 他にどんな要素がやる気を無くす要因となっているのでしょうか?
やる気を削ぐ要因として 次のような表現に共通点があります。
「内容が足りない」
「見せられない」
「結論に具体性がない」
「役になってない」
「欲しい結論になってない」
「部長から怒られる」
「走ってはいけない」
「ひかれて死んでしまう」
これらはすべて 不足や否定 過去の失敗といった「ネガティブな表現」を含んでいます。
これがもう一つのやる気を削ぐ原因であると考えられます。


では、これらをやる気の出るポジティブな話し方に変換していきましょう。
どうすればやる気の出るポジティブな話し方になるのでしょうか?
やる気を引き出すポジティブな話し方とは
不足や否定を伝える話し方では 相手のやる気を削いでしまうことがあります。
そこで 言葉を「できたこと」「プラスのこと」「未来のこと」に変換して伝えることで 相手が前向きな気持ちになりやすくなります。
具体例:ポジティブな言い換え
不足の指摘から改善提案へ 「内容はここまでできたね。明日課長に見せられるレベルにするにはどうしたらいいと思う?」
抽象性の指摘から具体性の強調へ 「抽象的には結論が出せたね。具体性があるともっとよくなりそうだ。過去の経験を役立ててみようね。」
目標変更の提案へ 「ベーシックな結論は出せているね。部長が欲しい結論はXXなんだけど 明日までにこれに沿った結論に変更することはできそうかな?」
危険回避を促すポジティブなアプローチ 「あら走るのが上手ね 早い早い。すごいわねぇ。ところでここは自動車が走ってくるから危ない場所よね。どうすればいいか おりこうさんのあなたならすぐに分かるわよねぇ?」
このようなポジティブな表現で 相手のやる気を失わせず 建設的な指導が可能になります。
やる気を失わせない会話の本質
実際のところ 「やる気を引き出す話し方」というものが特別存在するわけではありません。
ポイントは やる気を削ぐような話し方を避けることです。
相手は他人の言葉を素直に受け入れるものなのです。
不足や否定 過去のことを強調する話し方は 相手のやる気を削ぐだけではなく 子供の自己肯定感にも悪影響を与える可能性があります。
このような話し方は 親から受け継がれている場合が多いとも言えます。
もし自身がこの話し方をしがちであるなら 過去の経験を振り返ることが有益です。
リンク先→子ども 自己肯定感 育て方 - Google 検索
不足や否定を強調する話し方を「できたこと」「プラスのこと」「未来のこと」に言い換えるだけで 相手の受け取り方を大きく変えることができます。ポジティブな表現を意識することで 効果的なコミュニケーションが実現できるのです。
普段の会話の中でできるだけできたことやプラスのことや未来のことを話すように改善すれば
今までなかなか言うこと(指導)を聞いてくれななかったのが嘘のように話(指導)を聞いてくれるようになることでしょう。
まずは家族(パートナーやお子さん)の方との会話で試してみてはいかがでしょうか?


話し方だけでなく「オーラ」や「雰囲気」がもたらす影響
これまで 話し方がやる気に与える影響についてお話ししましたが 次に「オーラ」や「雰囲気」がどれほどやる気に関わるかについて考えてみましょう。
逆の立場から見た印象
自分が後輩や部下の立場だった時を思い出してみてください。
先輩や上司から指導を受ける際に 「こんな人の言うことはちょっと聞きたくないなぁ」と感じたことはありませんか?
その際に相手のどのような印象が影響を与えたのでしょうか?
-
上から目線や高圧的な態度
-
相手には厳しく自分に甘い様子
-
だらしない外見(頭髪や服装の乱れ 汚れ 無精ひげなど)
-
挨拶をしない非礼
-
不機嫌そうな態度
-
やる気がなさそうな雰囲気
もし歴史的な偉人 例えば弘法大師や水戸黄門といった尊敬される人物であっても このような印象を与える人であったらどうでしょうか?
そう想像してみると その人の言葉には影響力が感じられなくなってしまうかもしれません。


印象を反対の言葉で置き換えてみる
指導を受けた際に「言うことを聞いてもいいかな」と思う印象にするためには 以下のような要素が重要です。
-
常に対等な関係性を保つ
-
自分に厳しく 相手には優しく接する
-
清潔感のある身綺麗な外見
-
元気な挨拶を欠かさない
-
笑顔で親しみやすく接する
-
やる気に満ち溢れた雰囲気を持つ
印象を変えることへの抵抗感
こうして具体的な要素を挙げてみると それを自分で実践するには少し恥ずかしい または抵抗があると感じるかもしれません。
しかし この状態を常に保てている人は少なく それを身につけるには努力が必要です。
指導を受けたときに「言うことを聞いてもいいかな」と思わせる印象を保つことは意外と難しいものです。
これには訓練が必要であり 繰り返しの努力を通じて初めて身につけられるスキルと言えるでしょう。


実は上にあげた6つの印象というのは大きく2つの項目に分けられます。
-
常に対等な関係性を保つ
-
自分に厳しく 相手には優しく接する
-
清潔感のある身綺麗な外見
-
元気な挨拶を欠かさない
-
笑顔で親しみやすく接する
以上の5つはモラルに分類されます。
-
やる気に満ち溢れた雰囲気を持つ
最後の1つはモラールに分類されます。
おやおや?何か似たような言葉が出てきましたね。
モラルとモラール。
少し複雑なのですが この2つの言葉は別の意味を持っています。
モラル
-
道徳。倫理。習俗。「―に欠ける」
-
道徳を単に一般的な規律としてではなく、自己の生き方と密着させて具象化したところに生まれる思想や態度。
広辞苑より
モラール
志気。やる気。「―を高める」
広辞苑より
リンク先→ モラル モラール - Google 検索
モラルとモラールの違い
モラルは多くの人が耳にしたことのある言葉で 意味もよく知られています。
一方で モラールという言葉は 日本人にはあまり馴染みがないかもしれません。
しかし 人の心を動かす際にはモラルだけでなく モラールも非常に重要な要素となります。
モラルの実践とモラールの重要性
モラルある態度を人前で見せることは 誰にとっても簡単なことではありません。
だからこそ モラルを実践するためにはモラール=志気ややる気が必要となります。
モラールが高い人ほど モラルある行動を自信を持って実践できるのです。
逆に モラールが低いとやる気がないように見えてしまい その結果「こんな人の言うことは聞きたくない」という印象を与える可能性があります。
モラールの高さは 周囲の人に良い影響を与える大切な要素と言えるでしょう。


モラールは 人の心を動かし 自分の言うことを聞いてもらうために欠かせない要素です。
しかし どのようにすればモラールを発揮することができるのでしょうか?
モラールは訓練で高められる
モラールは自然と身につくものではなく 訓練を通じて育むスキルです。
また 四六時中モラールを高い状態で維持するのは難しく 必要な場面で高められるよう訓練することが求められます。
モラールを高めるために実施される訓練には 以下の3つの基本があります。
-
大きな声を出すこと
-
体を大きく動かすこと
-
他人とシンクロナイズ(同調)すること
なぜこれらがモラールの向上につながるのかは明確ではありませんが これらの行動を通じてモラールが高まることは多くの経験から示されています。
モラールの本質
これらの訓練から推測すると モラールとは人間が社会の中で生きる上での基本的な活力のようなものである可能性があります。
モラールを高めたいと考える方への最も効果的なアプローチは モラールが高いと思う人の行動を真似することです。
そのような人は次の特徴を持っていることでしょう。
-
大きな声を出すことが得意
-
体を大きく動かすことが得意
-
他人とシンクロナイズすることが得意
こんな人を真似することで モラールを向上させるきっかけになるかもしれません。

