
学校では教えてくれない
人間社会を生き抜くための人生の基礎知識
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学校では教えてくれない
人間社会を生き抜くための人生の基礎知識
10番目は「お金にまつわる知識」についてです。
お金は子供のころには何気なく漠然ともらったり使ったりしてきました。
不思議なことに自分の自由に使えるお金が少し増えてくるとお金に対する悩みが増えてきます。
「もっとたくさんお金が欲しい!」
「お金が足りない!」
子供のころに何気なく漠然と覚えたお金にまつわる知識ですが経済学を学んだ方以外は誰からもちゃんと教わったことはないのではないでしょうか?
お金の知識を理解するメリット
お金にまつわる基礎的な知識を理解しておけば人生の悩みが半分くらい解消すると言っても良いでしょう。
前半部分では大学の経済学のような難しい話ではなく小中学生でも分かるようにわかりやすく解説していきます。
また後半部分では少しレベルの上がった話になってまいります。
このパートは少し長編になりますのでお金の事で悩んでしまう方は途中で諦めることなく最後まで根気よく読んでください。



人間社会を生き抜くためには
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稼いだお金で必要なものを購入する
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自分の知恵と工夫と労力で必要な物やサービスを手に入れる(自給自足)
のどちらかをしなければなりません。
まずは
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稼いだお金で必要なものを購入する
やり方の方から考えていきましょう。


お金を稼ぐ目的と現実
一般的に 人はお金を稼ぎ それを使って生活に必要なものを購入します。
そのため 多くの人は職に就き 生計を立てるために働いています。
就職の際 一攫千金を夢見てお金が集まる大都会へ移住する人も少なくありません。
しかし その中には思い描いた成功を収めることができず 挫折を経験する人もいるでしょう。
お金が集まる場所には必ず理由があり その法則を知らなければ どれだけ努力しても十分な収入を得られるとは限りません。
成功の難しさと現実的な課題
故郷を離れ 大都会で厳しい環境の中で働き続けたとしても それが必ずしも成功に結びつくわけではありません。努力や才能があっても 「運」の要素が大きく影響し 不運に見舞われれば 望んだ収入を得ることができないケースもあります。
実際 運によって成功するのはほんの一握りの人々です。
さらに 世の中の大半の人は突出した才能を持っているわけではなく いわゆる“平凡な人”として生きています。そのため 自分が理想とする収入を得るのは決して簡単なことではありません。
お金を得るための本質的な理解
収入を増やし 経済的に安定するためには 単に努力するだけでなく どのような環境で どのような法則のもとでお金が動いているのかを理解する必要があります。
お金の流れを知らずに ただ闇雲に働くだけでは望む結果は得られません。
成功を手にするためには 運や才能だけでなく 戦略的な思考と計画が欠かせません。
お金の仕組みを学び その流れを把握することで より合理的な選択をすることができるでしょう。



間違った常識:お金はいくらあっても足りない
多くの人が「お金が足りない」と悩みますが それは決して庶民だけの話ではありません。
そこそこの収入を得ている人でも 同じように「もっとお金が欲しい」と感じています。
つまり 収入が増えても 必ずしも経済的な不安が消えるわけではないのです。
では なぜお金がいくらあっても足りないと感じてしまうのでしょうか。
本当に必要なことに使えているか?
お金が足りないと感じる大きな理由の一つは 「本当は必要ではないこと」にお金を使ってしまっているからです。 一見 生活に欠かせない支出のように思えても 冷静に考えると「なくても困らないもの」に意外と多くのお金を使っているケースが多いのです。
お金の使い方を見直せばお金は不足しない
本当に必要なこと そして自分が心からやりたいことだけに集中すれば 実はそれほどお金に困ることはありません。
むしろ 何気なく不要なものに浪費してしまうからこそ 「肝心な時にお金が足りなくなる」という状況が生まれてしまうのです。
「お金が足りない」と感じたときこそ 一度 自分のお金の使い方を見直してみることが重要です。
自分が本当に必要としているものは何か? それを優先し 不要な支出を抑えることで お金の悩みは驚くほど軽減されるでしょう。


習慣に支配される人間の行動
私たちの生活には「習慣」というものが深く根付いており それに従って行動することがほとんどです。
しかし 習慣とは過去に誰かが作り出したルーティーンであり その多くは自分の意思とは関係なく継承されているものです。
そのため 多くの人が「周囲の人がやっているから自分も同じことをするのが当たり前」と思い込んでしまい 深く考えることなく行動してしまう傾向があります。
あなた自身の普段の行動を振り返ってみてください。
その大半は 単に周囲の人々と同じ行動を取ることで成り立っていないでしょうか?
習慣的な行動をするとき 私たちは「これは自分にとって本当に楽しいことなのか?」「これは本当に必要なことなのか?」と じっくり考えることはあまりありません。
たとえば 日本では現在 一日三食が一般的ですが これは歴史的に見れば新しい習慣です。
かつての日本では一日二食が普通であり 「朝飯前」という言葉はその時代に生まれたものです。実は 一日三食の習慣は発明王エジソンの影響によって広まったという説もあります。
リンク先→ 一日三食 エジソン - Google 検索
習慣を見直す重要性
習慣に従うことは決して悪いことではありません。
しかし それが自分にとって本当に有益なものかどうかを考えずに続けてしまうと 本当に大切なことを見落としてしまう可能性があります。
「当たり前だから続ける」のではなく 「それが自分にとって価値のある行動なのか」を意識することが重要です。
食いしん坊の人は1日4食とか1日5食が習慣になっているかもしれませんし 一方で食の細い方は食欲は湧かないけどなんとなく1日に3食食べているかもしれません。
おなかが空いていないのに両親から「ちゃんと残さず食べなさい!」と言われて 頑張って頑張って1日3食食べて大人になったことでしょう。
自分が欲していないのに習慣でしかたなく食べているわけですから 1食抜いて本当におなかが空いたときに食事をとるほうが本当はおいしさも倍増することでしょう。
昭和の時代に比べて最近は 朝は食べないとか お昼は食べないという方が実際増えてきているようです。
昔の1日2食に戻ってきているのかもしれません。
いずれにしても先進国の貧困層以外の現代人は生きていくのに必要な量以上に食べ過ぎているのは間違いないでしょう。
このように 私たちが当然だと思っている習慣の多くは時代によって変化しているのです。
つまり 「今当たり前とされている行動」も 長い目で見れば単なる流行の一つに過ぎないかもしれません。



習慣と無意識の行動
私たちの生活には 「当たり前」と思い込んでいる習慣が数多く存在しています。
その習慣は 過去に誰かがやり始めたことをなんとなく真似しているだけのものであったり 誰かが商品を売るために巧妙に仕掛けた販売戦略に乗せられているにすぎなかったりするかもしれません。
本当に自分の欲求に合ったものなのかを深く考えずに続けているケースが少なくないのです。
知らず知らずのうちに「みんながやっているから自分もやる」という思考に囚われ 自分には本当に必要ではないことに多くのお金や時間を費やしているのです。
実例で考える-企業に仕組まれた習慣も
例えば 次のような場面を思い浮かべてください。
成人式の振袖
娘は洋装の方が好みなのに 「成人式には振袖が普通」という固定観念に従い 高額なレンタル料を支払ってしまう。
不要な自家用車
交通の便が良い地域に住んでいるにもかかわらず 「車を持っているのが当然」と考え ほとんど乗らないのに維持費を払い続ける。
飲みたくない乾杯のビール
本当は日本酒が好きなのに 「乾杯はビールが当たり前」と思い込み 毎回妥協してしまう。
宗教と儀式の矛盾
普段は無宗教なのに 結婚式はキリスト教式と 流行に流されて選択してしまう。
お正月の食習慣
「お正月だから」と豪華な料理を準備するものの 結局食べ過ぎて胃がもたれるだけ。
義理チョコ
「バレンタインデー」に周りのみんながやっているから会社の男性にチョコレートを配る。
本当に必要なものを見極める
このような例を見ても分かる通り 習慣に従って行動することが必ずしも合理的であるとは限りません。
「これが普通だから」「みんながやっているから」という理由だけで続けている習慣は 本当に必要なものかどうかを改めて見直す価値があります。
自分の本当の欲求に向き合い 必要ではないことに時間やお金を浪費しないようにすれば もっと有意義な選択ができるはずです。



心理学では「同調性バイアス」と呼ばれる現象があります。
これは 公に誰かが決めたルールではないにもかかわらず なんとなく習慣となり 多くの人が深く考えずに従ってしまう傾向のことです。
この現象を「日本人特有のもの」と考える人もいるかもしれませんが 実はそうではありません。
同調性バイアスは 私たち人類(ホモ・サピエンス)が共通して持っている本能のひとつであり 日本人だけに見られるものではないのです。
とはいえ 日本人はこの本能が特に強く表れる傾向があるともいわれています。
習慣が生まれる仕組み
この本能によって 多くの習慣が形成されます。
例えば 「昔から続いているから」「周囲の人がやっているから」という理由だけで 自分自身の意思とは関係なく行動してしまうのです。
本来 習慣とは便利で合理的なものであるべきですが ただ流されるように続けている習慣は 必ずしも自分にとって意味のあるものとは限りません。
知らず知らずのうちに 自分の価値観ではなく社会の流れに従ってしまうことがあるのです。
同調性バイアスを知る重要性
この特徴を理解すれば 自分の行動が「本当に必要なものなのか」「単に周囲に合わせているだけなのか」を冷静に判断できるようになります。
何となく続けている習慣が 果たして自分の生活にとって本当に価値のあるものなのか 一度見直してみることが大切です。
この特徴(本能)については本論から外れますので 簡単にかいつまんでお話しますが
詳細は世界的ベストセラー
リンク先→ サピエンス全史 - Google 検索
著作:ユヴァル・ノア・ハラリ
に書かれていますので時間がある方はご参照ください。
(本著ではホモサピエンスに起こった認知革命と記述がされています。)


人類が持つ「フィクションを信じる力」
我々ホモ・サピエンスには 「フィクション(虚構・真偽が定かでない情報)を吟味することなく信じ 共感する能力」が備わっています。
この著書によると ホモ・サピエンスは個々の体力や知力では 例えばネアンデルタール人など他の人類よりも劣っていました。
しかし フィクションを信じる能力によって 「伝え聞いた英雄の存在」を信じ 多くの人々がその英雄のもとに結集し 大規模な集団を形成することができました。
この結果 数の力で他の人類との競争に勝ち 生き延びることができたのです。
繁栄とともに抱えた新たな課題
この能力によってホモ・サピエンスは繁栄してきましたが 同時に「本当に必要ではないものにまでお金を使ってしまう」という問題も抱え込むことになりました。
人間は幼いころから親の行動を模倣することで社会生活を学びます。
つまり 「フィクションを吟味せず信じること」が社会の基本的な学習手段となっているのです。
同じように 人は世間で行われている慣習や価値観を深く考えずに受け入れ それに従って行動する傾向があります。
無意識に受け入れる社会の影響
結果として 「他の人がやっていることに影響され 深く考えずに自分も同じ行動をする」という習慣が根付いてしまうのです。
この現象は 人々の消費行動にも影響を与えます。
例えば 社会の一般的な価値観や流行を何の疑いもなく受け入れた結果 本来は必要のないものにまでお金を費やしてしまうことがあります。
これは ホモ・サピエンスが持つ「フィクションを信じる本能」の副産物とも言えるでしょう。
例えば おなかが空いていなくても「食事の時間だから」と何となく食事を取ることがあります。
また 普段ほとんど車に乗らないのに 「自家用車を持つのが当然」と考え 購入や維持費にお金を使ってしまうこともあります。
こうした行動は「本当に必要な出費」とは異なります。
もしあなたが毎日きちんとおなかが空く人だったり 車に乗ることが好きなら それにお金を使うのは理にかなっています。
しかし 本当は必要ないのに習慣や世間の常識に流されてお金を使ってしまう場合には問題なのです。
不必要な支出が「やりたいこと」を妨げる
本来 自分がやりたいことにお金を使うべきです。
しかし 本当に必要ではないことにお金を使い続けていると いざ自分がやりたいことに資金を割こうとしたときに足りなくなってしまうのです。
例えば 1日3食の習慣も「当然のこと」と思われがちですが 食の細い子供に無理に3食食べさせるのは 場合によっては不要かもしれません。
これも「誰かが作った習慣に従っているだけ」であり 本当に必要かどうかを考え直すべきものの一例です。
必要かどうかを見極める大切さ
何気なく続けている行動が 本当に自分にとって必要なものなのかを定期的に振り返ることは重要です。
世間の常識や習慣に流されるのではなく 「自分にとって価値があるのか?」を意識することで より有意義なお金の使い方ができるでしょう。

