top of page
学校では教えてくれない
人間社会を生き抜くための人生の基礎知識
仕事が嫌になってしまったら
労働と会社組織の成立ち
学校では教えてくれない
人間社会を生き抜くための人生の基礎知識
五つ目は「労働と会社組織の成立ち」です。
仕事が嫌になると言っても経営者と従業員では嫌になる内容が異なっています。
今回は従業員の立場の方の悩みを解決することにいたします。
(経営者や個人事業主の方のお悩みは経営コンサルタントにお問い合わせください。)
(従業員の方が)次にあげる理由から仕事が嫌になることはよくある事です。
-
業務の完了までに決められた期間が短い
-
人数が足りずやってもやっても仕事が終わらない
-
ちょっとしたミスに対して繰り返し叱責を受ける
-
忙しいときに大して価値のない理不尽な仕事を言いつけられる
-
毎日苦しい思いをしても給料が上がらない
これらの嫌なことがあると不満は大抵上司に向けられます。
面と向かっては言えませんから上司がいない同僚との会話ではついつい上司の悪口が出てしまいがちですよね。
「ねえ、聞いてよ。うちの上司ったら酷いのよ。期限が決められた難題を押し付けてくるの。その割に仕事の量に対して部署の人数が足りないからやってもやっても仕事が終わんなくてさ。そのくせちょっとしたミスに対して繰り返し繰り返ししつこく注意してくるの。こないだは部長のご機嫌取りのために何の価値もない仕事を言いつけられたわ。こんなに頑張ってるのにいい評価付けてくんないし給料が全然上がらないのよねー。もう、嫌になっちゃうわ。」同期の飲み会なんかではよく聞く話です。
理不尽なことばかり言う上司も入社当初は上司だったわけではなく一般社員だったわけですから当時は当然自分の上司に同じような不満を持っていたはずです。
ではなぜ上司になると自分が一般社員だった時の思いをすっかり忘れ理不尽になって部下に無理難題を押し付けるようになってしまうのでしょうね。
ところで会社は社員にお金(お給料)を払ってくれます。
ではあなたがお金を払うのどんな時でしょうか?
-
レストランで食事をしたとき
-
買い物をしたとき
-
家電製品の設置工事をしてもらったとき
こんな時にお金を支払いますよね。
レストランやお店にとってあなたはお客さんです。
これと同じことが上司部下の関係にも言えるのです。
上司(経営者)はお金を払ってくれる側の人ですからお客様で
あなたはお金を貰う側の人ですから労働という名のサービスを売っている事業者なのです。
昔お金を貰う立場で事業主だったはずの一般社員が上司になるとお金を払う側のお客様に変わってしまうわけです。
(昔は飲み会で皆と一緒に上司の悪口を言っていた人が上司の立場になって悪口を言われる側に回ってしまっていることに気づいている人は少ないかもしれません。)
あなたがお客様として美容院に行った際にカットの出来上がりが悪かったら美容師に注文を付けませんか?
ホテルの部屋がたばこ臭かったらフロントに「部屋を変えてくれ!」と文句を言いますよね。
請求された料金が前回よりも値上げされていたらどうでしょう。
注文した料理が出てくるのに30分も待たされたらあなたは黙っていられますか?
「お客様は神様です」
昭和の時代のエンターテナーがこう言っていましたが法律に反した行為をしない限りにおいてお客様は守られており事業者の立場のほうが弱いのが一般常識です。
振り返ってみましょう。冒頭に次のようなお話をいたしました。
(従業員の方が)こんな理由から仕事が嫌になることはよくある事ですよね?
-
業務の完了までに決められた期間が短い
-
人数が足りずやってもやっても仕事が終わらない
-
ちょっとしたミスに対して繰り返し叱責を受ける
-
忙しいときに大して価値のない理不尽な仕事を言いつけられる
-
毎日苦しい思いをしても給料が上がらない
元々あなたが会社の社員で上司との間の関係に基づいた事柄でしたが
例えばあなたがホテルの従業員だった場合にもこの文章はそのまま当てはまるのではないでしょうか、、、?
ホテルの例に例えれば
あなたの上司はホテルのお客様であなたはホテルマン。
あなたが一所懸命にサービスを提供することによってお客様は満足し宿泊料を支払ってくれるわけです。
サービスの質がお客様の思ったレベルに達していなければお客様はホテルマンにクレームをつけて当然です。
理不尽なことでも何でもありません。
これがプロフェッショナル ーそれでお金を稼ぐー ということの意味です。
ややもすれば上司は部下をケアしてくれるモノと思いがちですが経済の原則を元に考えれば実は逆で部下が上司をケアしてあげる立場であり上司はその対価としてお金を支払ってくれるということなのです。
これが部下にあたる人が理解できていない上司と部下の関係です。
会社組織はもう少しだけ説明が必要です。
上司にも上司がいるのです。
そして上司の上司にもまたその上司にもさらにその上の上司にも上司がいることでしょう。
あなたの上司は最下層の下請け業者にすぎず本当のお客様はかなり離れたところにいるようです。
ですからあなたの上司もお客様からクレームをいただいていて相当追い込まれている事でしょう。
人間は追い込まれると余裕がなくなってプレッシャーとストレスを感じ平常心ではいられなくなってしまうもの。
普段は人間味があって優しい性格の上司だったとしても追い込まれたときはついついあなたにきつい一言を浴びせかけてしまうのです。
上司が理不尽なことを言う理由がわかってきました。
では会社における自分の処遇を改善するためにあなたはどう立ち振る舞えばよいのでしょうか?
それはお客様に満足をしていただけるサービスを提供することに他なりません。
ホテルマンであれば
お客様に滞在期間中快適な環境を提供する
お客様が困ったことがあればそれを解決して差し上げる
お客様が喜ぶような物やサービスを迅速に提供して差し上げる
同じように会社であれば
上司が快適に業務が遂行できる環境を提供する
上司が困ったことがあればそれを解決して差し上げる
上司がが喜ぶような結果を迅速に提供して差し上げる
ということなのです。
業務遂行能力はサラリーマンにとってとても重要ですがあなたに一番求められることは上司の満足を勝ち取る事。上司をお客様と思えるかどうかが鍵だと言っても過言ではありません。
あなたは上司に対して心から奉仕することが出来ているでしょうか?
よく「あいつはゴマすりだけで出世した奴だ」と揶揄されますが
ゴマをするのではなく
上司の満足する仕事をする事
上司の満足する成果を出す事
これがあなたが会社組織の中でステップアップするために一番重要なことだということを理解して下さい。
もしあなたがそれをすることは嫌いでどうしてもできませんということならば
あなたは労働を売る従業員ではなく実際にモノやサービスを売る事業主を目指した方が賢明だといえるでしょう。
「そんな簡単に事業主になれるわけないでしょ!」とおっしゃるのであれば
労働を売る従業員になって上司の顧客満足を追求するほかはないのです。
それもできないよというのであれば薄給に甘んじるしかないでしょう。
「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ。」
と昔の人は言いましたが世の中そんな甘いものではないようですね。
上司が理不尽なことばかり言う理由がはっきりしましたが
あなたの仕事をうまく進めるための重要な要素はもう一つあります。
上司がお客様であることについてお話ししましたが実はあなたの仕事にはもう一人のお客様がいるのです。
上司というのは直接のお客様という訳ではなくいわば仕事の仲介人/請負業者にすぎません。
どこかから仕事を請け負ってきて部下のあなたに仲介しているに過ぎないのです。
仕事を請け負った先に本当のお客様がいらっしゃるのです。
営業の方であればお得意様がお客様ですからわかりやすいですね。
しかし間接部門の方は少しわかりにくいかもしれません。
でも間接部門でもその仕事には必ず上司以外にお客様が存在しているのです。
例えばあなたが人事部門の方であれば本当のお客様は会社の社員の皆様でしょうし購買部の方であれば購入を依頼した方でしょう。
あなたの仕事は片方のお客様である上司の満足を勝ち取るのと同時にもう片方の最終的なお客様の満足を勝ち取ることが出来ているでしょうか?
上司というのは管理職ですから最終的なお客様がどうすれば満足するかいちいち事細かに指示をしてはくれません。(ひょっとしたらそんなこと知らない人が上司をやっているかもしれません。)
上司の指示は仕事の納期と達成基準くらいの物でしょう。
それだけを満足させるだけでは最終的なお客様が満足するとは限らないのです。
人事の方はあなたが仕事をしたことで最終的なお客様である会社の社員はありがとうと言ってくれますか?
購買部の方はあなたが仕事をしたことで最終的なお客様である購入を依頼した方はありがとうと言ってくれるでしょうか?
ホテルの例でも見たようにお客様の要求は厳しいものです。
あなたの仕事の水準が最終的なお客様の要求を満足しているものより低ければお客様からクレームが入るので仕事がなかなか完了しません。
あなたの仕事がなかなかうまくいかない理由はここにあるのです。
顧客満足(Customer Satisfaction)CSという言葉は日本では1980年代後半に流行した言葉です。
私が若い頃会社の昇格試験の論文のお題になったことを今でも覚えています。
最近では顧客満足(Customer Satisfaction)CSという言葉を聞くことが少なくなってしまい非常に残念に思います。
顧客満足(Customer Satisfaction)CSとは文字通り商品を購入した顧客の商品に対する満足度のことです。
顧客満足度を高めないと売り上げが伸びませんよ ということが言いたい事です。
「後工程はお客様」
顧客満足(Customer Satisfaction)CSは商品を購入した顧客に対することだけにとどまりません。
私は自動車会社トヨタの生産方式(TPS-TOYOTA Production System)を学ばせていただきました。
世界的にも有名な優れた生産方式なのですが、この教えの中に「後工程はお客様」という言葉があります。
近代以降、生産活動は効率を求めて分業制が当たり前になっています。顧客に提供する商品やサービスを供給するためにはその過程に様々な工程があり、各工程を経たのちに商品やサービスが完成して顧客のもとに送り出されていくのです。
「後工程はお客様」という言葉の意味は、
つながっていく各工程の中で自分の工程の後ろの工程を顧客と考え、顧客である後工程が満足するように自工程の在り方を考えていくことです。
自工程とは自分の働きー自分の労働の中身のことにほかなりません。
働く場面で仕事がなかなかうまくいかないのは、あなたが働いた結果がお客様が欲しいと思うものになっていないからでしたね。
ですからお客様である後工程は誰なのかを間違えるととんでもないことになってしまう訳です。
もしあなたが働く場面で仕事がなかなかうまくいかないことがあったとしたら
迷わずに顧客満足(Customer Satisfaction)CSのことを思い出してください。そして、
自分の仕事の後工程である上司ではない方のもう一人の本当のお客様は誰なのか?
自分が働いた仕事の結果はそのお客様が欲しいと思うものになっているのか?
この二つを正しく見極めてください。
この二つを正しく見極めることができさえすれば、働いた時に本当に得られる物が欲しい物と合致するわけですから、あなたの仕事は必ずうまくいくのです。
学校では教えてくれない人間社会を生き抜くため基礎知識五つ目の「労働と会社組織の成立ち」についてお話してきました。
皆さんには労働の意味をよーく理解していただいて一方のお客様である上司ともう一方の本当のお客様の顧客満足を追求することによって仕事を進め今よりももっともっと楽に生きられるようになっていただきたいと願っています。
bottom of page